4年前に誓った博多座へのカムバック
「偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)」の公演を断念したコロナ禍の4年前。その舞台で主役を務める予定だったのは生田斗真さんでした。悔しさを胸に「必ず帰って来よう!」と誓った博多座へのカムバック公演がついに実現します。いのうえ歌舞伎「バサラオ」は、劇団☆新感線44周年興行であり、生田さんの生誕39年にちなんだ「サンキュー」公演、そして盟友・中村倫也さんにとっては、博多座初登場の舞台です。
T(斗真)T(倫也)コンビ二人ありきの舞台
幕府と帝が争う混乱と裏切りの時代に、生田さんは美貌を武器に天下取りの野望を持つクールで悪い男ヒュウガを、中村さんはヒュウガの野望を知略によりサポートする一筋縄ではいかない謎の男カイリを演じます。
歌に踊りにショーアップされた本作は、この二人ありきで作られました。今回の役どころについて伺うと
「劇団☆新感線への初参加は17歳の時。そのころから新感線の舞台で悪役を演じたいと思っていたので、その願いが叶いました。美しさを武器にするというとんでもない役を貰ったと思っています」と生田さん。
一方、中村さんは
「身軽なところもありつつ、どこか不穏な空気が漂うキャラクターにしていけたらと思っています。10代の頃から『何を考えているか分からない』と言われることが多かったので、その点が共通するところですね」と語ってくれました。
2016年の初共演で意気投合
劇団☆新感線での共演で、意気投合した二人。お互いを役者としても認め合い
「倫也君は、歌も踊りも芝居もできるし腹が立つくらい馬力がある。自分をコントロールできる役者さんなので共演者として信頼しています」と生田さんが話せば
「初共演から斗真君が作ってきたものを見ていて、すごく線が太くなった気がします。座長として心強い」と中村さんが返します。
プライベートでも親交のある二人。
「仲が良いので、真面目な芝居をする時に恥ずかしくて笑ってしまわないように気を付けたい」とも話してくれました。
劇団☆新感線に参加する楽しみ
劇団☆新感線の舞台に生田さんが5回目、中村さんは3回目の参加ですが、劇団の看板俳優である古田新太さんとは意外にも初共演。
「古田さんの存在感のある稽古場を体験することも楽しみ。考えさせられるようなアウトプットの仕方も身近で感じてみたいです」と中村さん。
また、生田さんは劇団☆新感線の舞台を
「毎日が運動会みたいで、達成感を積み重ねていく感じです。ずっとお祭りの中にいるような、大人が楽しんでいる舞台」と表現します。
生田斗真さん、中村倫也さんをはじめ豪華キャストが集結した、いのうえ歌舞伎「バサラオ」。博多座25周年の記念すべき時に帰ってきた劇団☆新感線が、芝居はもちろん歌に踊りに殺陣にと壮大なピカレスクロマンを繰り広げます。