インフレに備え、資産多様化の1手段として
2023年も値上げラッシュが続き、多くの人が家計のやりくりに苦労したと思います。米ドルなどの外貨に対し、日本円の価値が低下して「円安」となり、輸入品などの物価上昇を招きました。この先、インフレはどうなるのか? 将来のインフレに備えて、外国の株式などを購入する手法と同様に、円に代わる外貨を保有して資産の多様化を図ることもリスクを分散する手段と言えます。今月は外貨預金について勉強しましょう。
外貨預金とは
日本円を外国の通貨に交換して、外貨建てで預金をすること。代表的な外貨としてアメリカの米ドル、ヨーロッパのユーロ、オーストラリアの豪ドルなどが挙げられる。日本円で預金する時と同じように、定期預金や普通預金を利用できる。
■外貨預金の流れは
①と②では、為替手数料(通貨交換手数料)がかかる。金融機関によっては預金をするとき、解約するとき、円を引き出すときに、それぞれ手数料がかかることも。外貨預金は、日本円の預金とは異なる特徴がある。大きな違いは「金利」と「為替レート」だ。この2つをまず理解することが外貨預金をうまく活用するコツと言える。
金利差と為替変動に注目!
財成高利、大夢の親子が外貨預金について話しています。高利は2022年初め、へそくりを米ドルの外貨預金に変えて運用し始め、2年足らずで大きく増やすことができました。父は息子にも外貨預金を薦めますが……。
2022年から米ドルの外貨預金を始めたが、2年間で円安が進んだ。始めた当時は1ドル115円、それが2023年11月は150円になった。100万円のへそくりが、30%も増えたよ。
すご~い。小遣いちょうだいよ!
シーッ。母さんにばれるじゃないか。
僕もやりたい。
よし、親子でやるか!
ちょっと待ってください!外貨預金がいつも儲かるとは限りませんよ。慎重に考えましょう。
外貨預金のメリットとデメリット、教えてください。
■外貨預金のメリット
1 円預金よりも金利が高い
各国の通貨によって異なるが、ほぼゼロ金利の円預金に比べて高い傾向があり、資産形成の効果を高めやすい。
2 「為替差益」によって資産が増える可能性がある
預け入れた時より円安が進めば、外貨を日本円に交換したときの資産を増やせる。
3 通貨を分散することで資産を守ることができる
保有資産を複数の通貨に分けることで、為替変動のリスクを分散できる。