天神にも博多にも行ける便利な立地。
“自由”をキーワードに探した高齢者施設
「ここからお花見ができるんですよ」。共用リビングから天神中央公園を見下ろして、赤間美奈子さんがほほ笑む。赤間さんが暮らしているのは、介護付き有料老人ホーム「フェリオ天神」。大丸福岡天神店から徒歩5分という、抜群の立地だ。福岡市中央区舞鶴に自宅がある赤間さんにとって、天神や中洲は庭のようなもの。フェリオ天神は、いつまでも都心の生活を楽しみたいという願いを実現できる、理想の高齢者施設だった。
入居したのは10年前。趣味の三味線や刺繍、旅行を楽しむアクティブシニア。一人暮らしに不安があったわけではないが、「家族に迷惑をかけないために」、早期に住み替えを決めた。外出も外泊も自由。昼食は外でとるのが日課で、「新天町や川端のブティックをのぞいたり、公園を散歩したり。三味線の先生が出演なさる時は、博多座にも行きます」。
部屋にさりげなく飾られていた作品。小物は施設のスタッフや友だちにプレゼントするために準備しているのだとか
暮らし方は生き方を実践する86才
入居を機に、かかりつけ医を施設の提携医院に変える人が多いそうだが、赤間さんは昔なじみの病院に通う。「わがままなの」と赤間さんは笑うが、家族や友人に対する思いは深い。経営していたコンビニエンスストアを閉める時には、働いていた人の身が立つようにと、たばこ屋に変えて継続雇用を模索。面倒見のよさは近所でも評判だったと聞いた。小学校の先生を退職後、地域の世話役を積極的に引き受けていたという尊敬する父の姿が重なる。 自由で奔放な赤間さんの暮らしは、多くのシニアの憧れでもあるだろう。「針1本失くしても危ないから」と、入居の際に好きだった刺繍をすっぱりやめた。処分していいものしか持ってきていないというシンプルな部屋。赤間さんの“わがまま”には、自分の人生を決めてきた人の潔さが感じられる。
取材協力/フェリオ天神(福岡市中央区天神西中洲11-25)
TEL/0120-116-597