あの名作が帰ってくる! 令和の「西遊記」ここに誕生

孫悟空を中心とした三蔵法師ご一行が天竺を目指して旅をする物語「西遊記」。行く先々で襲いかかるさまざまな化け物を、孫悟空たちが奇想天外な妖術を使って退治しながら長い旅路を歩んでいきます。
「西遊記」といえば、堺正章さんが孫悟空を演じたテレビドラマ「西遊記」の印象が強い方も多いのではないでしょうか。放映された当時は子どもたちが夢中になり、ゴダイゴの主題歌と共に大ヒット。社会現象にまでなりました。
実はあのテレビドラマの「西遊記」は、日本テレビ開局25年記念番組として制作されたそうです。
そして今、45年の時を経て再び日本テレビが、令和版の「西遊記」に挑みます。
主役級が勢揃い! 豪華キャストに注目

主演の孫悟空を演じるのは、歌舞伎界のみならずテレビや映画でも大活躍の片岡愛之助さん。演出を手掛けるのは、「魔界転生」「巌流島」などの大ヒットを手掛けた奇才・堤幸彦さんです。
ほか出演者には三蔵法師役に小池徹平さん、猪八戒役に戸次重行さん、沙悟浄役に加藤和樹さん、玉竜役には村井良大さんと、豪華メンバーが集結。
さらに、妖怪の首領・牛魔王に松平健さん、その妻・鉄扇公主に中山美穂さんというビッグな顔合わせが実現しました。2人の息子・紅孩児は藤岡真威人さんが演じます。
主演・片岡愛之助さん、演出・堤幸彦さんが来福

堤監督はご両親が大分出身ということもあり、とりわけ九州の地には親近感を持っているそうです。「博多での公演は相当頑張りたい」と、意気込みを語ります。
愛之助さんは、小学生の時に堺正章さんの「西遊記」を毎週楽しみに見ていたそう。そんな孫悟空を演じることはもちろん「監督とがっつり組むことは初めて。豪華なキャスト、しかもスペクタクル作品。期待しかありません」と今から楽しみで仕方がないという様子でした。
会場には孫悟空に扮した片岡愛之助さんの写真パネルが掲示されていました。
写真を見て愛之助さんは「撮影現場に行くまでどんな衣裳か知りませんでした。髪の毛は赤いんだ、とまず驚きました。実際着てみると、悟空が完成しました。堺正章さんがやっていたものに色合いが近く、オマージュを感じられるものになっているのではないかと思います」と感想を語ってくださいました。
そんな愛之助さんの“孫悟空”を見て「ロビンフッドのような感じもするよね」と堤監督。
宣伝用の衣裳ですが、衣裳を身にまとい四千里の先を見るかのような孫悟空のポーズをとった愛之助さんの姿を見て、堤監督は「これだけで体現しているじゃないか、素晴らしい」と感じたそうです。
堺正章さんの“孫悟空”で育ってきたという愛之助さん。
「僕にとって孫悟空は、スーパーマンのように“なりたいなぁ”と思う憧れのものでもありました。僕がどんな孫悟空になりたいのかでなく、舞台を見てお客さんが感じてくれたらと思います。“愛之助の孫悟空だ”と思っていただければいいですね」
舞台「西遊記」の魅力は?

■おなじみのストーリーを“誰も見たことのない”舞台へ
妖怪の仲間といさかいながらも友情を育み、三蔵法師と共に数々の化け物を退治しながら旅を続けます。
「その中で、友情、争い、人間の業の深さのようなもの含めていろんな要素を完備したストーリーにしたい。一幕は出会い、二幕は戦い。なぜ妖怪になったのか、どうして悪の帝国なのかなどをしっかり解説する人間ドラマにしたい」と堤監督。
愛之助さんは今作品の魅力についてこう語ります。
「最初に話をもらったのが2年ぐらい前。やっと記者発表というこの日を迎えることができて嬉しいです。映像ではなんとかできることはたくさんあるけれど、舞台で、生身の人間が演じるということにはやはり限りがあります。でも、堤監督の舞台は特別。不可能といわれることを可能にするのが堤監督です。筋斗雲(きんとうん)はどうするの?とか、分身の術は?とか。そう思うと夢ばかり膨らんで、最近はずっとそのことばっかり考えています」
■筋斗雲は? 分身の術は? 舞台と最新テクノロジーの融合
最近の舞台装置は、想像を超えたさまざまなテクノロジーが詰まってきているそうです。
堤監督は「特にLED技術の精度が上がっていて、実は“分身の術”もできる。でもそれは想像の範囲なので、それを超える、最新テクノロジーと舞台の知恵がすべて詰まった技をうまくミックスして、1分たりとも飽きさせない舞台の連続にしていきたい。ストーリーがおもしろいのはもちろん、最新テクノロジーと肉体の技がぶつかり合う舞台にしたい。その設計と準備をしています」と熱く語ります。
博多座ならではの仕掛けも?
堤監督は博多座で公演があるたびに、毎回いろんなチャレンジをしているそうです。
「これは博多だけには限りませんが、ご当地に合わせた表現を入れたいと思っています。その時その土地でいちばんビビットなネタを取り入れて芝居の中に生かしていきたいですね」
「今回は映像が映る動くセットがたくさんありいろいろなことができるので、1回芝居を見ても何か見逃しているんじゃないか…と思ってしまうような、ネタ満載の舞台にしたいです。地元の人がくすっと笑えるようなネタを盛り込み、楽しんでもらえたらと思います」
博多座の魅力は?
歌舞伎の公演もあり博多に来ることも多い愛之助さん。
博多の魅力について「これは歌舞伎界のみならず役者の方はみんな博多座に出たいなぁと思っているはずです。とにかく福岡は食べ物がおいしいですよね。実は僕、今月、9月、11月と博多座に来ます。年に3回も福岡に来られるのは楽しみだし嬉しいですね」
そして「博多座のお客さんは熱い。客席の温度、劇場の雰囲気、博多座特有の“熱さ”があります」とも。
その愛之助さんの言葉に、堤監督も深くうなづいていました。
福岡のグルメはもちろんですが、何よりも博多座ならではの“熱”を感じながらの公演を毎回楽しんでいるようです。
演じる側も見る側もワクワクしかない! 令和版「西遊記」

最後に、日本テレビ開局70年記念舞台「西遊記」にそれぞれ主演、演出するにあたり、片岡愛之助さん、堤幸彦さんのコメントをご紹介します。
■片岡愛之助さんコメント
この話をいただいてから、今日の日を迎えられたことをとてもありがたく、うれしく思っております。
「西遊記」という誰もが知るタイトル、そして日本テレビ70周年記念舞台という作品に出演させていただけることに、身が引き締まる思いです。
堤監督の演出のもと、大先輩から同輩、後輩と皆さん違う畑で育ってきた方々が1つになる舞台でございます。
どんな化学反応が起こるか、私も今から楽しみです。
LEDの映像技術、フライング、特殊効果とあらゆるものをフル活用した最先端・最新鋭のエンターテインメント作品になりますので、「西遊記」を知らない若い方も、もちろん知っている皆様も、すべての期待を超える自信があります!
まずは初日に向かって皆で力を一つに合わせて準備をしていきたいと思います。
■堤幸彦さんコメント
1978年、ドラマ「西遊記」は、当時テレビを見なかった学生時代の私には強烈な印象でした。かぶりついて見たキャラクター大爆発のコミカルさとロックなテーマソングは生涯忘れることはありません。
舞台表現が最新テクノロジーによって相当な“無理”が実現するようになった現在、その「西遊記」はいよいよ挑戦すべきエンタメの最高峰テーマではないかと考えました。
超絶腕自慢の役者の皆さんと最新舞台表現でお送りする西への旅! 数々の秘術と奇想天外ストーリー! 1分たりとも飽きさせません! ぜひお楽しみに!
令和の「西遊記」は11月の博多座で
今回の舞台のリリースを拝見し、さらにお二人の話をお聞きして、改めて「西遊記」のストーリーに思いを巡らせました。
筋斗雲に如意棒(にょいぼう)、化け物たちとの壮大な戦い…いったいどんな舞台になるのでしょう。そして、どんな孫悟空やその仲間たちに会えるのでしょう。
公演が待ち遠しくて仕方ありません!