充実したセカンドライフを送るために欠かせない3つのキーワードとは…

イラスト まき りえこ
2023年度が始まりました。今月は定年を迎えた、ぐらんざ世代にスポットを当てます。会社勤めを終え、悠々自適の生活を送る人もいれば、定年後も再雇用で働き続ける人もいます。一口に「60歳」、「65歳」と言っても「人生100年時代」から見れば、まだ先は長いですよね。ぐらんざ読者の皆さんが充実したセカンドライフを送るために欠かせない3つのキーワードについて考えました。
■セカンドライフは長い

※ある年齢に達したものが、その後生存すると期待されている年数
出典=福岡銀行「セカンドライフにおけるリスクと備え」、 厚生労働省「2018年簡易生命表」
今月号の主人公は、定年満作さん(65)。財成高利の会社の大先輩になります。満作さんは大学を卒業後、福岡市内の会社に就職。60歳の定年を迎えた後も再雇用で働き続けましたが、この春、65歳を機に退くことになりました。そこで、満作さんは、長年支えてくれた妻に感謝の気持ちを込めて、一緒に北海道旅行に行くことにしました。しかし・・・

定年 満作(ていねん まんさく)(65歳)
財成高利の会社の
大先輩

先輩、どうしたんですか?

3日前、スポーツジムでアキレス腱を切ったんだ。無理したかな~。

北海道旅行は?

もちろん中止だよ。直前だったから、キャンセル料も相当かかったし、女房をがっかりさせてしまった。

早く治して、奥さんを喜ばせてください。

ありがとう。

最も必要かつ大事なものは「健康」です

白浜 仁子FP
満作さん、お気の毒でした。セカンドライフを楽しむために必要なのは第一に「健康」です。
定年を迎えた人は、現役時代に比べるとお金や時間に余裕がある人が多いと思います。しかし、いくらお金と時間があっても、健康でなければ、第二の人生を存分に楽しむことはできません。「健康寿命」を延ばす努力が必要です。健康寿命とは介護を受けたり、寝たきりになったりせず、支障なく日常生活を送られる期間をいいます。
右のイラストのように、平均寿命と健康寿命の差が日常生活に制限がある期間です。ウオーキングや水泳といった適度な有酸素運動にバランスの取れた食事を心がけましょう。60代以上の方は30~40代の現役世代とは違います。運動はくれぐれも無理のない範囲で、マイペースを心がけてください。
■平均寿命と健康寿命(2019年)

出典=厚生労働省 健康情報サイト

けがが治れば、奥さんと旅行ざんまいですか?

いろいろやりたいことはほかにもあるよ。

例えば?

老後を見据えて家のリフォームかな。ボランティア活動もやりたいね。田舎暮らしもいいし、孫とも遊びたい。しばらくやっていないゴルフも再開しようかな。もしかして起業するかもしれない。

それじゃあ、現役時代より忙しいスよ…(笑い)
生きがいづくり、夫婦 共通の趣味もGOOD!


定年後の生き方で大切なのは、いかに「生きがい」を感じられる生活を確立できるかです。夫婦それぞれがやりたいことをやるのもよいですが、共通の趣味があると、なお良いでしょう。満作さんのように、旅行はもちろん、登山やウオーキング、映画観賞、料理、音楽演奏など夫婦で一緒に始めるのも素敵です。新しく興味を感じたことにすぐチャレンジできるのも、自由な時間があるセカンドライフならではといえます。

先輩、やりたいこと、全部できそうですか?

無理。そんなことしたら、退職金がなくなるよ。

先立つものはやはり…。

そう、お金だよね。
最後はお金、資産運用は「守り重視」で

満作さん、やりたいことがたくさんあっていいですね。
セカンドライフでは、時間とお金は賢く使いたいものです。大切な退職金があっという間になくならないよう資金計画はしっかりと考えましょう。また、しばらく使わないお金は資産運用を検討することもお勧めします。運用資金は、次のようにお金を3つに色分け=右のイラスト参照=してください。

❶ 生活費などの必要資金
❷ 近い将来、5年以内に使う予定のある資金
❸ 当面(10年以上)使う予定がない資金
運用資金は❸を中心に考えます。
基本的に、定年世代は無理をせず「守り」重視の資産運用を心がけましょう。

イラスト:まき りえこ
福岡市在住の漫画家・コミックエッセイスト近著に
「実家が放してくれません(集英社)」

白浜 仁子(しらはま ともこ)
fpフェアリンク株式会社代表取締役
福岡市中央区今泉2丁目1-35 アプリーレ今泉703
TEL 092-753-9828