衝撃的なバンドもデビュー50周年に
TULIP 50周年記念ツアー “theTULIP”
●福岡公演/7月17日(日)(17:30開演)・18日(月・祝)(16:30開演)
福岡市博多区築港本町の福岡サンパレス ホテル&ホール。
●料金/8,800円(全席指定)で、5月21日から販売開始。
●キョードー西日本:0570(09)2424(11:00~17:00)
写真/星野楽(ほしのがく)
日本のポップス史に大きな足跡を刻む福岡出身のバンド、チューリップが今年デビュー50周年を迎えました。「心の旅」「青春の影」などの名曲は今でも多くの人が口ずさんでいます。記念の全国ツアーも始まり、福岡公演は7月17日(日)、18日(月・祝)。リーダーの財津和夫さんは「満足していただけるコンサートにしたい」と意気込みを語ります。
1972年、「魔法の黄色い靴」でデビューしたチューリップは強烈なインパクトを与えました。美しいハーモニーとメロディー。そして自作の曲を、自分たちで演奏して歌うスタイル。当たり前のようですが、当時は「まるでビートルズのようだ」と話題になりました。
財津さんが振り返ります。
「ビートルズの登場は衝撃的でした。素人でもレコーディングして、ステージに立って歌えるんだということを身近に感じられて。僕たちにもできるかも、とビートルズは勇気づけてくれました」
「アイドルはNO」そして名曲が誕生
今では何の違和感もない、チューリップというバンド名ですが当時は女性のバンドに間違われたそうです。「バンド名は、ビートルズのレコード会社のアップルにちなんだものにしたいとみんなで徹夜して考えました。バナナとかオレンジなどが出たんですが、結局オランダのチューリップ畑をイメージして名付けました。アップルに語感が似ていますし…。だけど当時は社会派フォークなど骨っぽい歌が多く、軟派だと言われました」
「心の旅」が大ヒットしても、アイドル扱いされる時期があったそうです。
「アイドル顔じゃないのに…。このままじゃいけない、何かを変えたいと出したシングルが『青春の影』でした。バラードを歌うのは一つの挑戦でした。発売直後は売れなかったけど、コンサートで歌い続けるうちに浸透して。チューリップを成長させてくれました。この曲がなければ50年も続かなかったでしょう」
シンプルな舞台にだけど熱い思いで
50周年記念のツアーのタイトルは「theTULIP」です。財津さんに加え姫野達也さん、上田雅利さん、宮城伸一郎さんがステージに戻ってきます。
「これまではサブタイトルを付けてきましたが、今回はあえてシンプルにしました。『50周年だ。集まろう』『何やるの?』『演奏だよ。ステージだよ』という風に、すっきりしたものにします。みんな年も年ですから。僕も座ってキーボードを弾くことが多くなりました。だけど、今できることをやって、クオリティーの高い演奏をお届けします」
福岡公演への思いは、すでに熱を帯びています。「博多祇園山笠の直後ですから、姫野君は『博多っ子純情』をやりたいと言っています。(2014年7月に亡くなった)安部(俊幸)君の歌を1曲やるのが恒例になっているので、みんなで歌う予定です」。期待して〝故郷への凱旋〟を待ちたいですね。
塩田芳久=文
text:Yoshihisa Shiota