【オーエン×ぐらんざ】人生100年時代、退職金はどうすべき？

　会社員（公務員）人生の「ご褒美」ともいえる退職金は、長い老後の生活資金の原資となるお金。この春退職を迎える財成高利さん・安心さん夫婦は、低金利や物価高もあり「ただ貯めておくだけでは心配」という理由で「投資に回して増やそう」と考えています。しかし「とりあえず全部運用しよう」というのは早計です。なぜなら、投資するよりも預貯金で置いておく方が向いているお金もあるからです。充実したシニアライフを送るため、退職金の上手な使い方を考えてみましょう。

老後の資金を見える化！あなたのお金を３つに色分けしてみましょう。

　退職金を含む保有資産を「お金をいつ、何に使うのか」という観点で、表のように分類してみましょう。目的と必要な時期に照らし合わせてお金を色分けすることで、リスク許容度に応じた適切な資産運用を行うことが可能になります。

■①生活に必要な当面のお金

　生活防衛資金のこと。食費や住居費といった毎月定期的に発生する費用に加えて、医療費や冠婚葬祭などの急な出費にも備えます。月々の生活費の3カ月～1年分を目安に預貯金で確保しておくと安心です。

換金性

投資に向かない。いつでも引き出せる元本保証のものに。　（普通預金など）

■②5〜10年以内に使う予定があるお金

　5年～10年前後の近い将来に費用が発生する可能性があるお金のこと。車の買い替え、自宅のリフォームや住み替えなどの住宅費用、住宅ローンの一括返済、子どもの結婚資金などが挙げられます。

安全性

元本割れしない金融商品で、使う時期まで確実に守る。（定期預金、国債、公共債など）

■③10年以上使う予定がないお金

　当面使う予定のないお金です。先々に必要となる自身の介護費用、葬儀やお墓代なども含まれます。それ以外の使い道が決まっていない余剰資金は、そのお金を利用して「増やす」ことを検討してみましょう。

収益性

先々に使うお金はコツコツ育てる運用、余剰資金はしっかり育てる運用を。（株式投資、投資信託など）

白浜FPのアドバイス

　日銀が利上げ方向に舵を切り、預金金利は引き上げ傾向です。とはいえ、消費者物価指数は前年同月比３%増（2024年12月・生鮮食品除く）と依然として高く、お金の価値は目減りしています。長寿時代を乗り切るためには、余裕資金で資産運用をすることを考えたいものです。初心者は特に、退職金のようなまとまった資金は一括投資ではなく、積み立てなど複数回に分けて投資することから始めることをおすすめします。

色分けして考えることで、今後必要なお金も具体的にイメージができてよかった。将来、後悔はしたくないから、運用についてもしっかり考えよう。

退職後の人生は長いし、お金もかかるので、無駄な支出を見直して無理なく節約しなければ。私たちの寿命に合わせて、お金の寿命も増やしていけると良いわね。

福岡銀行では、大切な退職金を守り育てるために「退職金定期預金」の取り扱いを始めました。投資信託との組み合わせで定期の金利がアップする運用コースもございます。
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