シニア世代向けのローン「リバースモーゲージ」が注目を集めています。持ち家を担保に金融機関から老後に必要なお金を借りる仕組みのことです。利用者は、旅行・レジャー費、住宅ローンの借り換えや自宅のリフォームなどさまざまなことに使えます。もうすぐお正月。豊かな老後を過ごすためのマイホームの活用法を家族で話し合ってみませんか?
イラスト まき りえこ
リバースモーゲージ
Reverse(逆) mortgage(抵当・担保)
持ち家を担保にした融資制度。自宅を手放す必要はない。持ち家を担保に金融機関から融資を受ける点では住宅ローンと同じだが、住宅ローンが一括で借りた資金を毎月少しずつ返済するのに対し、リバースモーゲージは必要に応じて資金を借り、亡くなった後に物件を売却するなどして一括返済する。住宅ローンと「逆」の仕組みを持つので、リバースという。近年、取り扱う金融機関が増えている。使い道が住宅資金に限定されるタイプもある。金融機関の審査で資産価値の低い地域の家屋などはこの制度を使えないケースもある。
■リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージって何? 返済方法や仕組み、メリットとデメリットを紹介
■白浜FPの解説
「リバースモーゲージ」とは、聞き慣れない言葉ですよね。欧米由来の金融用語ですが、直訳すると「リバース=逆」「モーゲージ=抵当・抵当権」です。自宅を担保に銀行から融資を受け、生活費などまとまった資金の調達に利用できるシニア向けのローン商品。何が逆なのか…それは下の返済方法を見てもらうと、分かります。ただ、この金融商品にもメリットとデメリットがありますから、しっかりと勉強しましょう。
■返済方法(イメージ)
■リバースモーゲージの「メリット」と「デメリット」
■【POINT】相続人がいる場合、事前に相談を!
リバースモーゲージの利用に際しては将来、相続人となり得る方には事前に相談しておきましょう。大切なマイホームに関わる話であり、予期せぬトラブルにならないようにしておくことが重要です。
住宅ローンの返済負担が軽くなる
福岡市の逆巻抵二さん(68)は、長年務めた会社をリタイア、息子2人は独立し、現在は妻の幸子さん(63)と2人暮らし。逆巻さんは妻への恩返しとして、今後は旅行やテニスなどの趣味を一緒に楽しみたいと考えています。しかし、逆巻家には43歳のときに組んだ35年返済の住宅ローンがまだ約500万円残っています。2人は自宅を担保に借り入れができるリバースモーゲージに興味を持ち、福岡銀行の店舗を訪ねました。