新NISA(少額投資非課税制度)が2024年から始まります。投資限度額が大幅に引き上げられ、生涯にわたって非課税で投資ができる制度へと生まれ変わります。投資の自由度が高まり、初心者が投資を始めるには、絶好のチャンスと言えるかもしれません。国(金融庁)は、改正の狙いを「使い勝手のよい制度にすることで国民の安定した資産形成を後押したい」としています。新NISAをどう活用したらよいのか、一緒に考えましょう。

イラスト まき りえこ
NISA口座開設の流れ(金融庁のHPを参考に作成)

新NISAのここに注目!
家計軽視さんと直子さんは、共働き夫婦。小学生の長男(7)と幼稚園児の長女(3)がいて、将来は教育費などでまとまったお金が必要です。しかし、低金利に物価高騰が続き、家計のやりくりも大変。「貯蓄だけでは、将来が心配」。2人は新NISAを使って投資を始めることにしました


新NISAの「使い勝手のよさ」とはどんな点でしょうか?

下の図で説明します。ズバリ、ポイントは3つです。

■POINT1 年間投資額が2~3倍に
現行NISAの年間投資額は「一般NISA」が120万円、「つみたてNISA」が40万円。新NISAは「一般」に当たる「成長投資枠」が240万円、「つみたて」に当たる「つみたて投資枠」が120万円なので、年間投資額の上限が2~3倍になります。
■POINT2 「つみたて」枠と「成長」枠を併用できる
現行NISAは「一般」か「つみたて」かを、選ばないといけませんでした。新NISAは、成長投資枠とつみたて投資枠を併用できます。このため、最大で年間360万円の投資が可能です。
■POINT3 非課税期間が無期限に、制度が恒久化
金融商品を非課税で保有できる期間は一般NISAが最長5年、つみたてNISAは同20年。新NISAではこれが無期限となって制度が恒久化されました。「人生100年時代」を見据え、いつ投資を始めても非課税の恩恵が受けられるようになります。
家計さんの新NISAの活用法は夫婦でそれぞれ開設
白浜FPの説明を聞いた家計夫婦は早速、資産づくりの具体プランを考えました。

新NISAを使わない手はないわね。わが家は貯金しかしてこなかったけど、来年からは新NISAを使って投資信託の積み立てを始めます。
長女の教育資金づくりはこれから。私たちの老後資金のことも考えないといけません。まずは両方で1,000万円を目標にします。