―怪談ナイトは今年で30周年。どんなお気持ちですか?
皆さんのおかげで30周年ですもんね。ありがたいです。1年が2年、2年が3年、3年が5年に…と。こんなに続くとは思わなかったと以前はお話していたんですがね、20年を過ぎた頃から、もっと続けたいと思っている自分がいるんですよ。最初はただ好きな怪談をやっていただけなのに、もう30回までいっちゃうと辞められないですよね。ファンの方々もうれしい便りをくださって、「記録を作ってください」と。私もそんな気持ちですね。
30年続ける間に私もいいジジイになっていました。だから、これからは本物の怪談が話せるのではないかと思っています。怪談というものは若い人間が偉そうにしゃべるものじゃないと昔から思っていたんですよ。やっぱり爺さんや婆さんが話す方が、ふるさとで聞く怪談のような味わいがある。私が60代になった頃から、ファンの方たちも「怪談ナイトがふるさとだ」って言ってくれるようになってね。そういうのっていいですよね。
みんなが待っていてくれるのだと。毎年やってくるお祭りみたいな感じで、皆さんが私の怪談にふるさとのような思いを持っていてくれている。いずれ私が死んだときに、毎年稲川の爺さんが来てたなと思い出してくれるとうれしいですね。
―今年の怪談のテーマは?
今年は元気で明るい、でもミステリアスな怪談をしたいですね。戦争があろうがなかろうが、病気があろうがなかろうが、空をふと見上げると月がきれいだったり、星がきれいだったりするじゃないですか。そんな感じの、ふっと見上げたときに希望を感じるような、なんだか楽しいような。そんな怪談をしたいですね。
―どんなエピソードを考えていますか?
これまで話の破片が見つからないけれど、いつかまとめたいと思っていたものがありました。
これが今年、まとまっていきましてね。今の時代の、今の作りの不思議な話がありますよ。多くの人がちょっと待てよ、自分の周りでももしかして同じようなことが起こっているんじゃないかって考え込んでしまうような。今の時代に合っている話ですよね。途中までは笑って聞けるけど、最後に怖いものに出くわしてしまう。そんな話を考えていますね。
過去の怪談ナイトの様子
―他にはどんなお話を?
以前に話したことのある怪談とつながる新しい話もしたいですね。もとの話がA面だとすると、今年紹介するのはそのB面の話。例えばこんな話があります。東京空襲でたくさんの人が亡くなった場所に建っているスタジオがありましてね。そこである事件が起きて、人が亡くなったことがあって、これは空襲で亡くなった人たちの魂がとりついたんだなと、以前話していました。これね、今回話しますけど、そうじゃなかったんですよ。この話が他の開催地でうまくいったら福岡でも話しますけど、つまらなかったら福岡では話さない。福岡はちょうどいい順番で来るんですよ。ツアーの最初の方だと失敗する話もある。福岡にくるときは気分も乗っていますしね。絶好調ですよ。だから、今年も怪談ジジイを見に来ていただけるとうれしいですね。
【MYSTERY NIGHT TOUR 2022 稲川淳二の怪談ナイト ~稲川怪談 30年連続公演~】
◆福岡公演/ももちパレス 大ホール
9月25日(日) 怪場14:00、怪宴15:00
https://3pm-net.com/entertainment/mysterynight_2022_fukukoka.html
◆久留米公演/石橋文化ホール
10月23日(日) 怪場14:00、怪宴15:00
https://www.3pm-net.com/entertainment/mysterynight_2022_kurume.html
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