寒い季節が終われば、春はもうすぐそこ。
今年の春はどんな景色を見に行こう?
一年で一番華やぐ季節だからこそ、とっておきの春に会いたい。
今回紹介するのは、水辺の春の景色。
春の輝きを受けてきらめく水面を見れば、あなたの心もときめくはず。
岐阜県高山市 煌びやかな春の高山祭へ
福岡から名古屋を経由して、岐阜県は飛騨高山へ。ここは江戸時代の面影を残す古い町並が、旅人の旅情感をくすぐる場所。中でも毎年春と秋に行われる高山祭は、ユネスコ無形文化遺産に登録されたとあって、注目を集めている。
高山祭とは春の「山王祭」と秋の「八幡祭」を指す総称で、300年以上続く祭。春の山王祭は、毎年4月14、15日に行われ、12台の豪華絢爛な屋台が町中を練り歩く。そのうち、三番叟・龍神台・石橋台の3台の屋台にはからくり人形がのせられており、綱方とよばれる熟練の人形使いによる鮮やかな早変わりなど華麗な演舞が奉納される。
また、町のシンボルである中橋を屋台が渡る様はまるで絵巻物を見ているような美しさだ。
からくり奉納は14日、15日の午前・午後1回ずつ、中橋のたもとにあるお旅所前で披露される。また14日の夜には、約100個もの提灯を灯した屋台12台が町をめぐる
高山祭
4月14日(火)、15日(水)(高山市城山156ほか)
問合せ
高山市役所観光課 TEL 0577-35-3145
宮崎県都城市 観音池公園の桜
ダイナミックな春の景色を楽しみたいなら、都城市の観音池公園へ。ここは江戸時代につくられた灌漑池「観音池」を中心に広がる公園。桜の名所としても有名で、池の周辺にはおよそ3千本ものソメイヨシノが咲き誇る。ほかにも5万本のツツジなども植えらえており、季節ごとに美しい顔を見せてくれる。3月29日には、地元芸能の披露など様々なステージイベントが催される「さくらフェスタ高城」も開催されるので、この機会に遊びに行ってはいかが。
園内の至るところに咲く桜。ボート遊びやパターゴルフ、観覧車、温泉、リフトなど施設も充実している
観音池公園
宮崎県都城市高城町石山4195番地
問合せ
観音池総合案内所 TEL 0986-58-6139
熊本県水俣市 桜と海のコントラスト
不知火海の海岸線に沿って、約5キロ続く桜のトンネル―。熊本県水俣市の湯の児海岸道路の桜並木道は、湯の児チェリーラインと称され「日本さくら名所100選」に選ばれた場所。桜の淡いピンクと海の青のコントラストがハッと息をのむ美しさだ。また、毎年3月下旬から4月上旬には土日を中心に「湯の児海上花見船」(有料)が運航され、海からの花見も楽しむことができ、人気が高い。入り組んだリアス式海岸が生む、波打つようなピンクと青のパノラマを船上から眺めてみては。
春のドライブにぴったりの場所。近隣の和田岬公園には6台、大崎鼻公園には10台の駐車場がある
湯の児チェリーライン 熊本県水俣市
南九州西回り自動車道水俣ICから約10分
問合せ
みなまた観光物産協会 TEL 0966-63-2079
鹿児島県南九州市 銀閣寺のようなカフェで花見
全国的にも珍しい、崖や岩肌に仏像などを彫った磨崖仏。南九州市の清水磨崖仏には、平安時代から明治時代の僧侶が彫ったとされる仏像や梵字を数多く見ることができる。隣接する清水岩屋公園には、1000本の桜が咲き誇り、次いでツツジの花も順次花開く花見の名所。池に面した和風カフェ「サクラノヤカタ」は川辺仏壇の職人によって造られたもので、まるで京都の銀閣寺を思わせるような趣。窓から磨崖仏と桜を眺めながらゆったりと一服しよう。
写真/公益社団法人鹿児島県観光連盟
写真/公益社団法人鹿児島県観光連盟
カフェの窓から見下ろすと、池がハート型に見えるという噂も。公園の周辺には、院跡や城跡、かくれ念仏など様々な史跡が点在するので散策してみよう
清水岩屋公園
鹿児島県南九州市川辺町清水3882
問合せ
鹿児島県観光連盟 TEL 099-223-5771
長崎県北松浦郡 桜とシロウオで春を愛でる
佐々川の河口沿いの全長1.5キロに渡って植えられた約300本の桜。そのうち、260本は早咲きの河津桜で、2月下旬には見ごろに(気候によって異なる)。また、この時期はシロウオ漁も最盛期を迎え、昔懐かしい春の風情を楽しむことができる。
長崎県北松浦郡佐々町
3月8日(日)「河津桜・シロウオまつり」イベント開催
問合せ
佐々町観光情報センター TEL 0956-59-7761
佐賀県小城市 お殿様たちが造った桜の名所
小城藩初代藩主鍋島元茂と二代藩主直能によって造られた名庭園、小城公園。「さくら名所百選」にも選ばれており、春になると約3000本もの桜が咲き誇る。趣ある古式ゆかしい庭園に咲く桜を求めて、シーズン中は多くの花見客でにぎわう。池に浮かぶ桜の花びらを眺めながら、のんびりと散歩をすれば日頃の慌ただしさも忘れそう。4月末からはツツジや藤も開花予定。
小城公園
佐賀県小城市小城町185番地
問合せ
小城市商工観光課 TEL 0952-37-6129
ぐらんざ『おとなの風物詩』でおなじみの岡田カメラマンおすすめスポット
■大分県別府 桜越しに別府湾を望む
撮影/岡田信義
本誌の人気コーナー『おとなの風物詩』の写真撮影、選定を行っている岡田カメラマンは、九州を中心に四季折々の美しい撮影スポットを長年探索、訪れている。
そんな岡田カメラマン一押しの「水×春」のスポットは、大分県別府市の内成エリア。JR東別府駅から300mほど南へ下った「両郡橋」の交差点から山手へ。するとそこには、桜林が。桜の木の陰から別府湾の景色を眺めることができる絶景スポットだ。
また付近には棚田もあり、田植えの時期にはのどかな田園風景を、また秋には彼岸花が見頃を迎える。