「キムジャン」の季節がやってくる
キムチの本場韓国では、11月の終わりから12月上旬にかけ、寒い冬に備えて大量の白菜キムチを漬け込む一大イベント「キムジャン」が行われます。
日本の食卓でもすっかりお馴染みの食品となったキムチですが、実は韓国と日本のものとでは似て非なるもの。
韓国のキムチはアミの塩辛や魚介類のエキスを加えて熟成させた“発酵食品”ですが、日本で流通する一般的なキムチは浅漬けや低発酵のものも含まれます。
そしてなにより大きな違いは、韓国のキムチはオモニ(お母さん)の味であること。各家庭伝来の漬け方があり、キムチはまさにおふくろの味の代表格なのです。
キムチは優秀な発酵食品
最近は“辛い料理”としてではなく優れた“発酵食品”として注目を集めるキムチ。日本でも白菜が旬を迎え、おいしくお安くなるこの季節に、本場韓国のキムチ作りに挑戦してみませんか?
ちょっぴり辛くて味わい深く、いろいろな料理とのアレンジも楽しめるヘルシーなキムチの魅力にきっとハマるはずです。
ヨンヨン先生直伝!本場韓国キムチの作り方
■材料 (白菜1株分)
白菜…1株(2.5㎏程度)
粗塩…白菜の重さの4~5%
キムチ用ヤンニョム
A
ニンジン…1本
白ネギ…1本
ニラ…1束
梨(またはリンゴ)…1/2個
B
お粥(ご飯を出汁でおかゆにする)…200g
アミ(小海老)の塩辛…120g
イワシエキス…150g
梅シロップ…100g
タマネギ…80g
梨(またはリンゴ)…1個
ニンニク…80g
生姜…40g
C
唐辛子…200~300g
ぜひ!韓国の調味料を使うべし!
アミの塩辛やイワシエキスは、おいしい韓国キムチ作りに欠かせない調味料。大量に使う唐辛子も日本の唐辛子では辛すぎるので、ほどよい辛味とうま味のある韓国産のキムチ用唐辛子を使うのがベストです。
でも、どうしても手に入らないときは?
下記のものでも代用可能。量はレシピと同量でOK。
・アミの塩辛 → イカの塩辛、明太子、たらこ
・イワシエキス → ナンプラー、しょっつるなどの魚醤
・梅シロップ → 蜂蜜、水あめ、オリゴ糖(乳酸菌飲料/ヤクルトなど 80㎖×2本でも)
■step1 白菜の下ごしらえ
より確実においしいキムチを作るために、白菜は丸ごと1株用意しましょう。最初は洗わず(あとで洗う工程あり)、粗塩が付きやすいように全体に水を振ります。塩漬けにした白菜は搾ると野菜のうま味が出てしまうため、ザルでじっくり水切りをします。
①白菜は外側をはがして根元から中ほどまで包丁を入れ、手で割いて半分にする。同様にして半分に割き4つ割りにする。できれば2時間ほど天日または室内で干す。
②分量の塩を4等分にし白菜をボウルに立てて塩をふる。
軸を中心にして1枚1枚に塩を均一にふる。慣れるまでは軸に塩をまんべんなくすり込んでもよい。
③大きめのボウルに白菜の軸と葉が交互になるように並べ、ラップをかぶせ重石を載せる。塩漬けの目安は冬は15~18時間、春秋は8時間、 夏は5時間ほど。
重石は重みのある鍋や水を入れたペットボトルでも代用可。水が上がってきたら途中で一度上下を返す。写真は水を入れたボウル。
④白菜がしんなりしたら水を捨て、水を流しながらボウルの中で2~3回洗う。白菜の味をみて塩辛ければもう1回洗う。
根元を広げて葉と葉の間の余分な塩分を丁寧に洗い流し、ザルにあげて1~2時間ぐらい水をよく切る。
■step2 ヤンニョムを作る
「ヤンニョム(薬念)」は韓国の伝統的な合わせ調味料のことで、さまざまな料理に使われています。余ったヤンニョムは冷蔵で1カ月、冷凍で3カ月保存可能。鍋の薬味にしたり、肉や魚料理の下味に、辛みを増したい時にも大活躍の万能調味料です。
①Bのお粥は必ず冷ましておく。(米粉やもち粉を水で溶いて糊状にしたものでも可)
②ニンニクや梨、生姜は適当な大きさに切り、Bの材料をすべてミキサーやフードプロセッサーにかける。
③②と唐辛子のすべてを混ぜ合わせ、馴染んだらヤンニョムのできあがり。
今回のレシピでは、キムチに使うヤンニョムは半分。残りは密閉できる瓶などの容器に入れて、いろいろな料理に活用できます。
④キムチ用のヤンニョムに仕上げます。Aのネギを斜め薄切り、ニンジンは細めの千切り、ニラは2cm、梨は皮をむいて千切りにする。
⑤先ほど作ったヤンニョムに切った野菜と梨を入れて優しく混ぜ合わせ、馴染んだらキムチ用ヤンニョムのできあがり。
大根やカブ、キュウリを漬けてもおいしいです。
※それぞれ別々に漬ける
■step3 白菜にヤンニョムを挟む
食べ頃は人それぞれ。漬けたては辛みを強く感じますが、時間がたつとまろやかになり酸味やうま味が出てきます。3日から1週間ぐらいがおすすめ。2~3週間たち、酸味が強くなったものは炒めものやスープに入れるとまた違ったおいしさに出会えます。
①白菜の間にキムチ用ヤンニョムを塗るように挟んでいく。
1枚1枚挟む量が均等になるように、根元の方の量が多くなるよう丁寧に挟んでいく。
②最後に芯からぐるりとまとめ、いちばん外側の葉で巻いて包む。
中の空気を抜くように、丁寧に丸めていきます。
③容器に詰めてラップをし、その上からさらに蓋をして保存する。
※空気に触れすぎると発酵が進みすぎて酸味が強くなるため、なるべく空気に触れないようにしっかり密閉しましょう。チャック付ポリ袋を活用すると便利です。
1日常温で置いてから冷蔵庫へ。翌日から食べられます。その都度、食べる量だけ切っていただきます。
取材協力
李 永順(リ ヨンスン)さん
福岡韓国家庭料理教室 ヨンヨン主宰。オモニの味を伝え続ける韓国家庭料理マイスター。受け継がれてきたオモニ秘伝の薬念(ヤンニョム)を通して、現代の食生活をさらに美味しく豊かにする発酵食を提案。日本発酵文化協会マスターほか。
福岡 韓国家庭料理教室 Young Youngヤンニョム(ヨンヨンヤンニョム)と空海の星占い「宿曜占星術」
https://tsuku2.jp/youngsoon福岡で韓国料理を習うならYoung Youngヤンニョム(ヨンヨンヤンニョム)ヨンヨンの韓国家庭料理教室へ。薬食同源の思想に基づく発酵食をお伝えする、韓国家庭料理教室を福岡市東区千早で開催しています。心と身体にやさしい家庭料理を作ります。キムチやヤンニョム、チヂミ、チゲ等を簡単にお家で作れるようになります。レシピお土産つきです。また、本当の自分を知るためのツールとして、密教・空海の教え「宿曜占星術」の鑑定を行なっております。あなたがあなたらしく、生きやすくなるヒントをお伝えしております。