人生100年時代。ただ長生きするだけではなく、元気に生活をすることができる「健康寿命」の大切さが謳われています。
健康寿命を延ばすためには、一日一日の過ごし方が大事。
健康は一日にしてならず、体を整える生活習慣についてご紹介します。
医学学界でも注目高まる、生活習慣の大切さ
高血圧症や糖尿病など現代人を悩ませる、生活習慣病。遺伝など体質的なことが要因であることもありますが、それだけで生活習慣病になることは少ないとされています。多くの場合は、体質的なことに加えて悪い生活習慣が重なることで生活習慣病を引き起こすことに。このことから、医学学界でも今まで以上に生活習慣を見直すことの大切さに注目が高まっています。
生活習慣病とは?認知症とも関連
代表的な生活習慣病と言えば、糖尿病、高血圧症、脂質異常症(高コレステロール血症、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)。健診などで指摘される人も多いのではないでしょうか。
ポピュラーな病気と思って侮っている人は要注意!これらの生活習慣病は、重症化すると心臓病(狭心症、心筋梗塞)や脳疾患(脳梗塞、脳出血)を引き起こす動脈硬化、慢性腎臓病の要因となります。つまり、生活習慣病になると、命に係わる病気になるリスクが一気に上がってしまうことに。
また、その他にも筋肉が落ちてしまうサルコペニアや、心身虚弱の状態・フレイルになり、要介護になる年齢が早まる可能性も。また、近年では認知症も生活習慣病と密接にかかわっていると言われています。
生活習慣病を予防するライフスタイル
それでは、どのような生活を送れば、生活習慣病を防げるのでしょうか。
大切なことは3つのポイント。定期的な運動、適正な食事、そして禁煙。例えば、糖尿病の患者数は車の台数、脂肪摂取量と比例していると言われています。また、欧米では生活習慣病に対する意識が高まったことで認知症の患者数が減ってきているという報告も。現段階で認知症に対する特効薬はありませんが、運動にははっきりとした効果があると言われています。つまり、糖尿病などの生活習慣病と同じく、認知症も生活習慣を見直すことで予防できる病気ということ。そう考えると、認知症に対してこれまでのように不用意に恐れる必要はないのかもしれません。
BMIに応じて、食事量の改善を
食生活では、「食べ過ぎない」ことと、「栄養バランス」がいい食事を摂ること、この2つが大切なポイント。
腹八分、とよく言われますが、ぐらんざ読者世代であれば「腹七分」くらいの感覚でいることが、体に負担をかけない食事量です。1日に必要なカロリーは人それぞれ体形などによって異なりますが、日本人の平均は2300~2400カロリー。1食あたり800カロリーほど。カロリーを計算しながら食事を摂るのは難しいので、自分の体格指数(BMI)を参考にしましょう。標準よりも高いようであれば、日々の食事を見直すことが必要になります。反対に痩せすぎもフレイルになる要因になりますので、こちらも食事や運動などで日々の生活習慣を見直していきましょう。
1日の中でバランス良く栄養を摂取する
カロリーとともに大切になってくるのは、栄養バランス。体に良いからと、特定の食品だけを偏って食べるのはNG。意識的に様々な食材を摂取していくことが大切です。とはいえ、外食ではどうしても栄養が偏りがち。ですが、ご安心を。1日のトータルでバランス良く栄養を摂取出来ていれば大丈夫。例えば、お昼にうどんを食べに行ったのであれば、夕食では炭水化物を少なめにして、野菜や肉・魚などのタンパク質をいつもよりも多めに食べるなど調節しましょう。あまり難しく考えず、おおらかに栄養バランスを考えることが長続きさせるコツです。
三食きちんと食べて、栄養吸収を穏やかに
朝は食欲がないから朝食抜き、ダイエットのために夕食抜き…。これが体にとっては大きな負担に。食事の間隔が空きすぎると、次に食事をするときに体は一気に栄養を吸収しようとするため、血糖値が急激に上がる「血糖スパイク」が起こります。この血糖スパイクにより血管が傷つき、脳梗塞や心筋梗塞、さらにはがんや認知症のリスクも高まります。
反対にお菓子など間食を多く摂る生活をしている人は、糖分を多く摂りすぎて、心臓病リスクがあがります。
キーワードは、「三食きちんと。間食はしない」です。
ちょっとした工夫で塩分カットの食事に
以前と比べると減ってきたと言われている、日本人の塩分摂取量。それでも、国際的にみるとまだまだ高塩分の食事をしているようです。塩分の取り過ぎは、高血圧の原因に。
味付けを薄くすると、美味しくないと思われそうですが、下で紹介しているようなちょっとした工夫で塩分摂取量を抑えることができます。早速新しい食生活の習慣にしませんか?
塩分をカットする新・食生活習慣
■かけ醤油は「つけ醤油」にする
おひたしなど、後から醤油をかける料理は、「かける」のではなく、小皿に醤油を出してつけるようにするだけで、口にする醤油の量が減ります。
■麺類のスープは飲まない
うどんやラーメンなどの麺類はスープに塩分が多く含まれています。美味しいスープは飲み干したくなりますが、そこはグッと我慢。
■味噌汁は具材を多めに
毎日の食卓に欠かせない味噌汁も、塩分が多く含まれています。具材を多くして、汁の量を減らすことで塩分の摂取量をセーブしましょう。
■漬物は浅漬けに
漬物は古漬けになるほど塩分が多く含まれます。日常的に食べる漬物は浅漬けにした方がベター。
■加工品の摂取量を控える
ハムなどの加工品には塩分が多く含まれます。出来るだけ塩分がカットされているものや、フレッシュな食材を使った料理になるように心がけましょう。
運動はあらゆる生活習慣病に効果大!
運動の大切さが今あらためて見直されています。定期的に運動をすることで、循環器、脂質バランス、さらには認知症、要介護など、ほぼ全ての生活習慣病の予防に効果があると言われています。
運動をするのは大変と思われますが、毎日歩くだけでも効果あり。さらに週2回ほど筋肉トレーニングを行うことで、筋肉の衰えを防ぎフレイルやサルコペニアの予防に。
反対に運動や筋肉トレーニングを行わないと、筋肉が落ち、足腰が弱り、出掛けるのも億劫になり、社会参加が減ってしまい、鬱や認知症を引き起こすことにも。今いちど、現在の運動習慣を見直してみましょう。
ちょっぴりウォークや簡単な筋トレでOK
運動が大切と言われても、あらためて運動の時間を設けるのは大変なもの。あまり負担になっては、長続きしません。そこで、オススメは「ちょっぴりウォーク」や「隙間時間&ながら筋トレ」。
60代に必要な運動量を1日の歩行量(歩数)で算出すると、男性7000歩、女性6000歩。平均的には、1000歩~1500歩足りていないと言われています。まずは、平均的な不足分1000歩を増やすことを実践していきましょう。
1000歩を時間に換算すると、だいたい10分程度。いつも使うバス停や駅の一つ、もしくは2つ前で降りて、歩くと丁度いいかもしれません。まずは、この「ちょっぴりウォーク」から始めましょう。
また、筋トレも本格的なキツイものをする必要はありません。例えば、家具などにつかまって片足立ちをしたりするだけでもOK。また、椅子を使ったスクワットは太もも、お尻、大腰筋という体の中でも大きな筋肉に作用するので非常に効果的。
これらの筋トレなら、例えばテレビを観ながら、歯磨きをしながら、またちょっとした隙間時間に行うことが出来ます。
「ちょっぴりウォーク」「隙間時間&ながら筋トレ」を新たな生活習慣として取り入れることで、年齢を重ねても元気な体を手に入れましょう。
「隙間時間&ながら筋トレ」を新生活習慣に!
家事などのちょっとした合間や、テレビを観ながらできる「隙間時間&ながら筋トレ」を、新年からの生活習慣に取り入れてみませんか?
最初は毎日できなくても大丈夫。「1週間に2日以上できればOK」という軽い気持ちで始めれば、無理せず長く続けることができます。
継続は力なり、筋トレを続けるうちに元気で若々しい体に!
■足を後ろに アプローチポイント:お尻
壁の前に立ち、体を支えるために壁に手を添える。腰を反らさないように注意をしながら、膝は伸ばしたままゆっくりと足を後ろに引く。(左右10回×2セット)
■膝伸ばし アプローチポイント:腹筋・太もも
椅子に座り、背筋をまっすぐに伸ばす。ゆっくりとした動きで膝を伸ばし、またゆっくりと足を元の位置に戻す。(左右10回×2セット)
■スクワット アプローチポイント:太もも・お尻・大腰筋
椅子の後ろに立ち、背もたれに手を置く。足は腰幅に開く。膝がつま先よりも前に出ないように気を付けながら、ゆっくりとお尻を後ろに引きながら、股関節と膝を曲げる。(左右10回×2セット)
■膝伸ばし アプローチポイント:腹筋・太もも
椅子に座り、背筋をまっすぐに伸ばす。ゆっくりとした動きで膝を伸ばし、またゆっくりと足を元の位置に戻す。(左右10回×2セット)
取材協力 福岡市健康づくりサポートセンター
健康づくりサポートセンターでは、総合健診・健康教室を開催中!
◎やせナイト塾…5回1,000円
◎楽しくおいしく健康料理教室…料金1,000円
◎ニコニコペース健康教室…年会費2,000円
◎禁煙教室…料金1,000円
ほか多数開催中!
■教室の問い合わせは
☎092-751-2806
〒810-0073
福岡市中央区舞鶴2丁目5番1号(あいれふ)
福岡市健康づくりサポートセンターは、みなさんの健康づくりを社会全体で進めるため福岡市は企業やマスメディア、保健や医療の専門家と手を携え幅広く健康づくりを支援していきます。