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【ぐらんざ人】俳優 戸田恵梨香(とだえりか)

【ぐらんざ人】俳優 戸田恵梨香(とだえりか)


湊かなえ渾身の小説 『母性』が映画化

Ⓒ2022映画「母性」製作委員会

映画『母性』
◎11月23日(水・祝)よりT・ジョイ博多、
 TOHOシネマズららぽーと福岡、福岡中洲大洋、イオンシネマ戸畑、小倉コロナシネマワールド、イオンシネマ筑紫野 他にて公開
監督/廣木隆一
出演/戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、高畑淳子、大地真央 他
配給/ワーナー・ブラザース映画

 「これが書けたら作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」

 ベストセラー作家の湊かなえさんがそんな覚悟をもって執筆した『母性』が、戸田恵梨香さん主演でついに映画化されます。

 あるとき、自宅で発見された女子高生の遺体。そして「愛能(あた)う限り、娘を大切に育ててきました」と語る母親。どこか不自然さを感じる言葉の裏には、娘を愛せない母・ルミ子と母から愛されたい娘・清佳(さやか)の葛藤がありました。事件はなぜ起きたのか?母と娘の間の真実とは?

 戸田さんが演じたルミ子は、自身の母に対する愛が異常とも言えるほど大きいが故に、母に好まれるような生き方を選択します。さらに永野芽郁さん演じる娘にも祖母を喜ばせる言動をするよう誘導するのでした。戸田さんにとってルミ子はどのような人物でしょうか?

 「箱の中に入っている人、でしょうか。本当はその箱の中に入らなくてもいいのに、自ら入ることを選択しているし、入りたがっている。そしてその狭さに気づいていない。それが居心地がいい場所でもあったと思いますが、時に自分を追い込んでいるようでもありました」

 「母」という箱の中で生きているルミ子を演じるため、戸田さんはルミ子の母役を演じた大地真央さんの出演作をいくつか見返したと言います。

 「ルミ子は人生観がすべてお母さん色なんですね。だから大地さんのお芝居をなるべく吸収できるようにしゃべり方やトーンを習得するようにしました。彼女の感情面に関しては理屈で考えながら進めていきましたね」

母と娘の思いをこめて2つの視点で描く

 原作の小説は母と娘が交互に語り手になることが特徴的ですが、映画版でも事件に至るまでの経緯が、それぞれの視点から回想されます。同じ出来事を伝えているはずなのに、母と娘の回想では全く異なる表情の2人が描かれ、観る人の心をざわめかせます。撮影前に清佳役の永野さんとどのように演じ分けるか打ち合わせなど行ったのでしょうか?

 「実は特に話していないんです。どちらからの目線を撮っているのかを確認するぐらいで、本当にすーっと流れていくような撮影でした。気負って『こうしなきゃ』というのはなかったですね。だから、自分たちが思うままに演じていた気がします」

 清佳視点の回想シーンでは、母に無償の愛を求める姿に居たたまれない気持ちになることも。清佳のような人を戸田さん自身は「抱きしめたい」と語ります。

 「どこで聞いた言葉かは忘れてしまいましたが、『抱きしめるだけで伝わる』という言葉がすごく印象に残っています。子役さんとお仕事をする機会もありますが、やはり目線を合わせたいし、同じ人として関わっていきたいですね。子どもに限らず、どんな人に対しても抱きしめることによって伝わるものはあるかと思います。そのことを大事にしていきたいです」

「母性」とは何か? 描かれる母娘の関係に痛みを感じながらも、観終わったときには誰かを抱きしめたくなる映画です。


山﨑智子=文
text:Tomoko Yamasaki

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