野球解説者 秋山幸二
RKBラジオ野球中継の解説者として出演中。
『エキサイトホークス』(火━金曜)17:48~、(土曜)13:54~、(日曜)12:54~ ※放送時間は変更になる場合があります。
その他、テレビでも野球中継や日曜朝の情報番組『サンデーウォッチ』にイレギュラーで出演中。
ミスターホークス流 野球解説とは?
今月の表紙は、ソフトバンクホークス前監督で、現在、野球解説者として活躍中の秋山幸二さん。秋山さんは1994年にダイエーホークスに入団、キャプテンとしてチームを牽引し、1999年の初優勝の立役者として活躍。その後、コーチとして選手の指導にあたり、監督として3度の優勝に導く。2014年には野球殿堂入りを果たしている。
ダークスーツに身を包み、大きなストライドで颯爽と現れた秋山さんは、監督という大任を果たし、リラックスした穏やかな佇まい。
「どうぞ」と長い両腕を開いて質問を待つ秋山さんに、まずは直球を投げてみた。
-秋山さんならではの野球解説とは?
「そうですね、僕は人を見ることがすごく得意なのね。表情やちょっとした身体の動かし方なんかを見て、今日の調子や精神状態がわかる。例えば『ピッチャーは今、こういう心理状態だろうから、次はカーブを投げてくるな。その次はどうかな』というふうに、どんどん先を読んでいく。これは選手時代からずっとやってきたことですけど」
-精神状態までわかるんですか?
「人間って不安な時と調子のいい時ではしぐさも変わってくるんですよ。これは野球選手に限ったことではないと思うけど、自信がなくて不安だと、そわそわとして落ちつきがないし、緊張していると肩が上がってくる。自分はこうするぞって決まっていれば肩が下がって重心がどっしり下に下がってくる」
-秋山さんの解説の極意は、人を見ること?
「そう。まず選手一人ひとりの能力のマックスを把握しておく。それで、今はどのあたりなのか、調子がいいのか悪いのかをイメージした上で、ピッチャーならどうやってバッターを押さえにいくか、逆にバッターならどう打ち崩していくかを個々に見ているんです。人をしっかり観察することが一番大事なんじゃないかなと思っています」
ホークス球団創設80年 目指せ「もう一頂!」
-選手、コーチ、監督、解説者と野球観は変わりましたか?
「選手は自分をベストに持っていくことだけに専念する。コーチは選手一人ひとりを見て、その人のマックスを作り上げる手助けをする。監督になると今度は、コーチをうまく動かして勝つために試合を展開していく。野球との関わり方はその都度変化しましたが、全てを経験した上での解説ができるのではないかと思っています」
-今後、目指したいことは?
「野球に関して選手から監督までやらせてもらったので、今度は、それを発信することで野球に興味を持ってくれる人が増えてくれるといいなと考えています。これからの野球界のためには、ちっちゃな子が野球を楽しんでやってくれるとうれしいですね。少年野球の指導にも毎年必ず行きます。その子がやる気を出してくれることが一番大事ですから」
今年はホークス球団創設80年。秋山さんのナビゲートで「もう一頂!」を目指すホークスを応援したい。
西岡裕子=文
text:Hiroko Nishioka