思いやりでついた嘘、その嘘をつきとおせるか
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『ディア・エヴァン・ハンセン』
監督/スティーヴン・チョボスキー
出演/ベン・プラット、ケイトリン・デヴァー、ジュリアン・ムーア、エイミー・アダムス
配給/東宝東和
◎11月26日(金)よりユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、T・ジョイ博多、
ユナイテッド・シネマ 福岡ももち 他にて公開
そんなつもりではないのに周りが誤解し、本当のことが言えなくなったことはありませんか。早目に誤解を解かなくてはと思いつつも、自分のことを過大評価され、ついつい居心地がよくなり、状況に甘んじてしまう。そうすると、嘘と発覚した時のバッシングはすさまじいものがあります。
今回の作品は、ブロードウエイで大人気を博し、その感動ミュージカルを映画化されたものです。
主人公エヴァン・ハンセン(ベン・プラット)はちょっとシャイで、真の友達がいない高校生。看護師の母ハイディ・ハンセン(ジュリアン・ムーア)と二人暮らし。一人でいることが多く、孤独感を味わいながら高校生活を送っています。ある日、エヴァンはセラピストから、自分宛の手紙を書くように言われました。書き出しは「親愛なるエヴァン・ハンセンへ」、結びは「君の親友、僕より」。本文には心寄せる女生徒ゾーイへの想いを含ませるものをしたためました。その手紙を何とゾーイの兄コナーに取り上げられ、後日コナーが自ら命を絶ったことを知らされます。悲しみに暮れるコナーの両親はコナーが持っていた手紙を見つけ、息子とエヴァンを親友だったと思いこむ。“ありもしないコナーとの思い出”は両親に留まらず、SNSを通じて世界中に広がっていく…。嘘が分かるのはいつ? 観客は、どんな結末が待っているのかハラハラ、ドキドキの展開でした。
佐久間みな子
KBCアナウンサーからKBCシネマにも携わり、現在はフリーアナウンサーへ。会話塾の講師を務める他、コミュニティラジオ天神のパーソナリティとして活躍中。