提供:東宝演劇部
ミュージカル『ナイツ・テイル ー騎士物語ー』
公演期間/11月13日(土)~11月29日(月)
公演場所/博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
堂本光一 × 井上芳雄のシェイクスピア劇、開幕
この秋、博多座でシェイクスピア劇が幕を開けます。演目は『ナイツ・テイル−騎士物語–』。シェイクスピア最後の作品として知られる『二人の貴公子』を原作に、『レ・ミゼラブル』の初演を演出した世界的演出家ジョン・ケアードの脚本・演出でミュージカルとして生まれました。W主演をつとめるのは、堂本光一さんと井上芳雄さん。ジョン・ケアードが2人の出演を念頭に制作したオリジナル・ミュージカルです。
この物語の主人公は、騎士で従兄弟同士のアーサイト(堂本)とパラモン(井上)。熱い友情を誓い合ってきた2人は、戦争中に敵国の大公シーシアスに捕虜として捕らえられます。彼らは牢獄の中から、シーシアス(岸祐二)の妹であるエミーリア(音月桂)を見かけ、同時に恋に落ちてしまい…。
井上さんは、この作品には独特な世界観があると言います。
「いいミュージカルというのは、その作品にしかない雰囲気や世界観があるものだと思います。この作品は、僕たちの日常とは違う、騎士の時代の物語が『ナイツ・テイル』の世界観で繰り広げられる。その非日常感が好きですね。それにジョン・ケアードは演劇の国イギリスの人だから、演出がとても演劇的で全てを説明したり、舞台上にのせたりしない。最初の曲で『一緒にこの世界を描きましょう』と歌います。想像力に勝るものはないので、お客様と共に世界を創っていこうというところが、すてきだなと思っています」
人間くさくて、愚かな1人の騎士を演じて
井上さん演じるパラモンは、自分に恋する牢番の娘(上白石萌音)を利用して脱獄を図るなど騎士道に反する一面も。
「人間くさくて、愚かなキャラクターです。観ている方にとっても、共感しやすい人物だと思います。人間だから、してはいけないことを犯してしまうことも多いでしょうしね。世の中、『こういう決まりなんだ』とかいうことが沢山あると思うし、騎士道なんていうのはその最たるもの。それに従いながらも、どこかで自分の本当の気持ちは違うなとか、この人の方が好きだなとか、そういう引っ掛かりは、誰しもがあると思います。でも、その引っ掛かりを見て見ぬふりをして進まなければいけないことが多いのではないでしょうか。今、その価値観が変わってきて、実は『こうあらねばならぬ』ということはないのではないかとなってきている。この作品もそういうところがあって、現代の人にも通じる感覚だと思います」
堂本光一さんと舞台に立つ心強さ
本作では堂本さんと井上さんが共に舞台に立つ豪華さも話題。堂本さんとの共演について井上さんはこう語ります。
「光一君はミュージカル俳優としての実力に加えて、スターで華がある存在です。さらに、後輩の舞台演出も行っているので、演出家の視点を持っていて広い視野で全体を見ている。僕は自分の周りのことしか見えていないので、素直にすごいなと思いますね。コロナ禍で大変なときですが、光一君と一緒だということが何より心強く感じています」
最後に福岡のファンにメッセージをくれました。
「光一君をはじめ、『ナイツ・テイル』のみんなを地元の福岡に連れて行けることをとても光栄に思っています。場合によっては歩みを止めなければいけないときもあるかもしれませんが、博多座で上演が許される限り僕たちは全力を尽くします。ぜひ足を運んでください」
山﨑智子=文
text:Tomoko Yamasaki