日々行う掃除ですが、わが家流・自己流で行っている人がほとんど。
そこで、今回は掃除のプロが行っている掃除方法を教えてもらいました。
新しいことを始めるのにぴったりな春。掃除にプロの技を取り入れてみませんか。
きれいを保つコツは「掃除を楽しむ」こと
掃除は日常的に行うものですが、掃除が好きでない人にとってはおっくうに感じることも。とは言え、先延ばしにしてしまうと汚れがひどくなり、掃除がますます大変になってしまいます。
苦手意識がある人は、まずは「掃除は楽しむもの」と認識を変えてみることから始めましょう。例えば、お掃除グッズを自作するのも一つの方法。愛着がある道具があれば、掃除で使うことが楽しみになります。※1
また、集中して黙々と掃除をすることは気分転換になったり、運動にもなります。掃除=作業と捉えるのではなく、リフレッシュの時間と考えて、前向きに掃除の時間を楽しみましょう。
※1 自作掃除道具については下部で紹介
掃除の手間を減らす「ついで掃除」の習慣
本格的な掃除の手間・時間を減らすコツは、何かの「ついで」にササっと掃除する習慣を身に着けること。例えば、料理のついでにコンロ・レンジフードを拭きあげる、歯を磨くついでに洗面台の鏡を磨く…。ひと手間を取り入れるだけで、汚れが沈着することを防ぎ、きれいな状態をキープでき本格的な掃除を行う回数が減ります。
また、家族と住んでいる人は一人だけに掃除を任せるのではなく、家族全員で分担することを心がけましょう。それぞれの担当箇所や当番を決め、きれいになった状態をお互いに見せ合うことでモチベーションアップにつながります。
自分たちで落とせない汚れがあるときは、一度ハウスクリーニングの専門業者に依頼し、きれいな状態にしてもらうことも有効な手段です。※2
※2 汚れの具合によっては専門業者でも落とせない場合あり
そろえたい掃除道具
■常備したいのは汎用性(はんようせい)高い重曹
キッチン用や風呂用など場所ごとの洗剤に加えて、常備しておきたいのが重曹です。重曹には油や皮脂汚れを落とす効果があり、また臭い取りとしても役立ちます。加えて、人体に無害なので安心して使うことができます。
重曹そのまま
臭いが気になる箇所に振りかけて使います。
使いたい場所 ▶︎ 生ごみ、洗えないぬいぐるみの臭い取り
※ぬいぐるみの臭い取り…ぬいぐるみをビニール袋に入れて、重曹30gをふりかけシャカシャカ振る。2、3時間そのまま放置した後、袋から出し、重曹をはたき落とす。悪臭の元を分解します。
重曹スプレー
重曹20gに対して、ぬるま湯200mlを混ぜます。スプレーボトルに入れ、気になるところにスプレーしてブラシなどでこすります。
使いたい場所 ▶︎ お風呂、キッチンの壁、電子レンジの中
重曹ペースト
重曹に少しずつ水を足して、歯磨き粉くらいの固さになるくらいに調整。油汚れが気になるところに乗せ、しばらく置いてこすりとります。
使いたい場所 ▶︎ コンロ周りなど
■手作り掃除グッズで掃除を楽しく効率よく
便利な手作り掃除グッズがあれば、掃除することが楽しみに。手頃な価格で手に入るものや家にあるものでできるので、試してみませんか。
マンゴーカットスポンジ
スポンジにカッターナイフなどで2/3ほどの深さになるように格子状に切り込みを入れます。凸凹したものにもフィットするので、窓のサンなどの溝や複雑な構造のものも洗いやすくなります。
軍手ぞうきん
ゴム手袋の上から軍手をはめたもの。普通の雑巾では掃除しにくい細かい箇所や、デリケートなものを手のひら感覚で掃除をすることができます。濡らして使う場合は、水や洗剤が垂れてこないように、ゴム手袋部分を折り曲げて使いましょう。
三つ編みストッキング ストッキングだんご
使わなくなったストッキングを半分に折り、ウエストの履き口部分と足部分で三つ編みに。蛇口などのステンレス素材の磨きあげに適しています。ポイントは乾いた状態で使うこと。また、太もも部分からカットしたストッキングの中に使わなくなった靴下を丸めて入れた「ストッキングだんご」もホコリや汚れを落とすのに便利。
プロ直伝、掃除術
■お風呂の掃除術
ドアのサンなどのカビ
ドアのサンなどに生えたカビは、カビの上にキッチンペーパーを敷いて塩素系洗剤やカビ用洗剤をスプレーして、5分ほど放置。ペーパーで洗剤を拭きとり、雑巾で拭いて仕上げます。シャワーホースやドアなどのカビは、カビ用洗剤を直接スプレーしてラップをかけて10~15分放置。歯ブラシなどでこすって水を流します。
※カビは奥まで入り込むと取れない場合も。気づいたタイミングで早めの対応を
風呂用椅子
週に1、2回は風呂用洗剤で洗いましょう。また、使用後は椅子を壁に立てかけたり、浴槽の縁にかけて湿気がたまらないように乾かし、カビやヌメリが発生しないように予防を。
鏡
鏡は一度水あかなどのウロコがつくと、なかなか取れないもの。日々の「ついで掃除」を心がけてください。風呂上りに、濡らした柔らかいスポンジでせっけんカスや皮脂を落とすイメージで上から下へこすり、水で流します。ウロコがついた場合は、クリームクレンザーを「ストッキングだんご」に着けたものでクルクルと磨き、水で流した後、水気をよく拭き取りましょう。
■キッチンの掃除術
五徳
ガス台から五徳をはずして、油汚れ用の洗剤、または重曹を溶かした40~50度のお湯に、30~60分程度つけおき。お湯から上げた後は、マンゴーカットスポンジの切り込みに挟み込むようにして洗剤で優しく洗います。細かい焦げつきは固めのボディータオルでこすります。
換気扇のフィルター
ビニール袋に洗剤または重曹とお湯を入れ、つけおきします(五徳の洗い方参照)。取り出した後、ブラシでこすり洗い。
つい先延ばしにしがちなフィルター掃除ですが、汚れが定着しないように月に1度はお手入れを。
排水口
まず歯ブラシなどで細かいゴミなどを取ります。ヌメリや汚れが気になるときは、ビニール袋に水と塩素系洗浄剤を入れたものを用意して、10~15分つけおき。また、泡タイプの塩素系洗剤の場合は排水口全体にスプレーしてから、ビニールに入れ、水を入れてシェイクしてつけおき。網の目に入り込んだ細かい汚れやヌメリが取れ、同時に除菌もできます。
また、小まめに排水ネットを取り換えて、できるだけ汚れがつかないように予防し、清潔さを保つことを心がけましょう。
冷蔵庫
棚などの取り外せる部分は、取り外して洗剤で水洗い。壁についた汚れは重曹スプレーをかけて、拭き取りることで、食べ物の油汚れに加えて嫌な臭いも取れます。しつこい汚れや臭いには、塩素系洗剤をメーカー指示の希釈割合で薄めたもので拭きます。
■窓・エアコンの掃除術
窓ガラス
始めに乾いた雑巾や「ストッキングだんご」でホコリを落とします。始めから濡れたもので拭くと、ホコリが固まって取れにくくなるので要注意。その後、雑巾で水拭き、から拭きをします。ガラスクリーナーを使う場合は、しっかり拭かないと跡がついてしまうので、まずは水だけで試しましょう。
網戸
乾いた雑巾や「ストッキングだんご」でホコリを落とします。その後、濡れたスポンジと固く絞った雑巾で網戸の内側と外側を挟みます。スポンジで押し出した汚れを雑巾でキャッチするようにして、上から下に拭きます。
エアコン
エアコンを使用している期間は、月に1度はフィルターのお手入れを。お風呂場で、ブラシを使って水洗いして乾かせば、簡単に汚れを落とすことができます。
また、自分で掃除ができないエアコン内部は、年に1度など頻度を決めてプロに依頼することをおすすめします。
※メーカー・機種ごとにお手入れ方法が異なるので、取り扱い説明書を確認してください
取材・監修
家事代行サービス・ハウスクリーニング
株式会社ベアーズ
福岡支店 力安由莉さん
人気ドラマの家事作業も監修している、家事代行サービス・ハウスクリーニング大手のベアーズ。福岡支店の力安さんは、現場での作業のほか、スタッフの人事なども担当している実力派。