ミュージカル『ローマの休日』
■公演日:2021年1月1日(金祝)~12日(火)
■公演場所:博多座
■出演(各役五十音順):朝夏まなと、土屋太鳳(Wキャスト)/
加藤和樹/太田基裕、藤森慎吾(Wキャスト)
『ローマの休日』の アン王女を演じて
来る2021年正月、約1年ぶりに博多座でミュージカルが公演されます。演目は映画でもおなじみの『ローマの休日』。佐賀県出身の朝夏まなとさんが、土屋太鳳さんと共に主役のアン王女を演じます。自身も同作の映画が大好きという朝夏さんにお話を伺いました。
「出演のお話を頂いたときは、アン王女のイメージと自分がなかなか結びつきませんでした。でも、誰もが知っているアン王女を演じさせてもらえるということは、やはりすごくうれしかったですね」
アン王女役は映画ではオードリー・ヘプバーンが、20年前のミュージカル版初演では大地真央さんが演じています。朝夏さんはどんなアン王女を目指したのでしょうか?
「アン王女はずっと王女として育てられてきて、成長と共に外への好奇心が膨らんでいった人。ローマ滞在中に街へ抜け出すと、そこで起こる全てのことが初めてのことばかりで新鮮だったと思います。舞台では毎回同じことを演じますが、いつも初めて経験している感覚になれるように意識しました。ピュアな反応を出来るようにしたいな、という思いもありますね。アン王女は、新聞記者のジョーとカメラマンのアーヴィングの3人でローマの街を行動するのですが、彼らに生まれる絆を通してアン王女が成長していく。その過程を一つ一つ丁寧に演じていきたいです」
コロナ禍だからこそ絶対に成功させたい
この取材を行ったのは、帝国劇場での『ローマの休日』東京公演を終えたばかりの頃。コロナ禍の中、舞台に立つことについて、朝夏さんはこう語ります。
「色々な作品が中止になっていき、私自身も、作品としての出演は今年2月以来でしたので感激もひとしおでした。公演がないときに、舞台に立つということは当たり前じゃないってずっと思っていたのですが、実際に舞台に立ってからしか分からないことがあるのだと、あらためて感じました。みんなで一つのものをつくるという意識は以前からありましたが、コロナ禍だからこそ絶対に成功させたい思いで、キャスト・スタッフの団結力は一層強くなっています。ご覧になったお客様からは『すごく感激した』という声をたくさん頂きましたので、私たちの気持ちも届いたのかなと思います。博多のお客様にも、そんな気持ちをお伝えしたいですね」
くしくも本公演で、朝夏さんは3年連続博多座の一月公演を飾ることになります。
「とても光栄なことです。地元も佐賀県で、皆様と同じ九州人が頑張っておりますので、色々な条件が許す方はぜひ博多座へお越しください。私たちも万全の対策をして、皆様をお待ちしております」
苦しい1年だった2020年。来年は華やかな舞台で幕を開けませんか?
山﨑智子=文
text:Tomoko Yamasaki