横浜流星さん(左)と中村隼人さん(右)。関門海峡ミュージアム展望デッキにて撮影
舞台『巌流島』
公演期間/3月18日(土)~27日(月)
公演場所/博多座(福岡市博多区下川端町2-1)
『巌流島』の戦いを人気俳優2人が熱演!
誰もが知る宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘「巌流島の戦い」が、舞台作品となって博多座に登場します。武蔵役は映画にドラマにと引く手あまたの実力派俳優・横浜流星さんが、小次郎役はスーパー歌舞伎Ⅱやドラマ出演でも注目を集めている歌舞伎俳優の中村隼人さんがつとめます。
『巌流島』は当初2020年に公演される予定でしたが、コロナ禍により延期となり、2年半の時を経て上演されることが決まりました。流星さんは「また上演することが決まって非常にうれしいです。前回のときから積み重ねてきたものをすべて注ぎ込み、深みの増した武蔵を生きたいです。これまでの自分のイメージをいい意味で裏切る武蔵を作っていきたいと思います」と意気込みを語ります。
一方の隼人さんは今公演からの参加です。
「2020年のときには僕は参加していませんでしたので、出来上がった作品の中に入っていくことへの重圧や緊張もあります。けれど、僕が入ることで新しい風が吹き、作品にエネルギーを注げるよう稽古に励んでいきたいと思います。流星君とは今回が初共演です。流星君のことは出演作品を見て繊細な芝居をされる方だと思っていました。そんな彼が武骨な男くさい武蔵をどのように演じるのか、また自分がライバルとしてどうぶつかっていけるのかがすごく楽しみです」
新解釈で描かれる武蔵と小次郎の物語
今回の『巌流島』は「新解釈」で武蔵や小次郎の生きざまが描かれていることが見どころの一つでもあります。流星さんは「武蔵の葛藤、戦う意味など、心の揺れのようなものが濃く描かれている脚本です。その内面を大事に作っていきたいと思います。新解釈ということで、史実を大事にしながらも、自分にしか出せないものを出していきたいです」と真剣なまなざし。
隼人さんは「これまでになかった話になるのではないでしょうか」と続けます。「今回の脚本は武蔵と小次郎の関係性が色濃く出ている作品になっています。流星君が演じる武蔵と僕が演じる小次郎は、初めは武芸者として同じ思いだったのに、武蔵は我が道を突き詰めていき、小次郎は剣術指南の奉公に励む。相いれない道に分かれてしまうから、僕のキャラクターが濃くなるほど、武蔵のキャラクターが立ってくるのだと思います」
さらに演出には最新の映像技術が用いられ、演劇が持つ力強さとテクノロジーが融合した今までにない舞台になるという今作。新たな「巌流島の戦い」が劇場で繰り広げられます。
山﨑智子=文
text:Tomoko Yamasaki