これでいいのか!自分の脳内に語り掛けたくなる気分になる
Ⓒ2021 つぶやきシロー・ホリプロ・小学館/闘う製作委員会
『私はいったい、何と闘っているのか』
監督/李闘士男
出演者/安田 顕、小池 栄子、岡田 結実、ファーストサマーウイカ 他
配給/日活 東京テアトル
◎12月17日(金)よりT・ジョイ博多、シネプレックス小倉、T・ジョイ久留米、
ユナイテッド・シネマなかま16、ユナイテッド・シネマトリアス久山にてにて公開
一見平凡に見える家庭でも家族間あるいは仕事上の葛藤等、人それぞれにストレスは当然あります。最近はコロナ禍にあって、先々の不安もあります。
そんな時“笑う”ことは大切なファクターではないでしょうか。家族、会社内でも仏頂面よりは笑顔の方が、周りを幸せにします。
今回の映画の原作はあの栃木訛(なま)りで一世を風靡した、つぶやきシローさん。
伊澤春男(安田顕)45歳、地元のスーパー“ウメヤ”の万年主任。家族は妻律子(小池栄子)、子どもは1男2女の計5人家族。しっかり者の律子に家は任せ、職場では、熱血漢の後輩、ちょっとクールな高井さん(ファーストサマーウイカ)、店長(伊集院光)たちと何とかやっています。息抜きに帰りに寄るところは、居心地のいい今はやりのサードプレイスとも言える食堂「おかわり」。店主はおばあちゃん(白川和子)。ある日、とんでもない出来事が起こり、春男の人生が大きく変わります。それが吉とでるか凶とでるか。外から見ていると、闘いとは縁遠いように見える春男、しかし“脳内はいつだって戦場”。そこには妙に笑いがあるんです。
くせのある役者さんたちが、それぞれの味をたっぷりだし、李闘士監督の指揮棒が的確に、更に魅力を引き出した作品だと思いました。
●1月号をもって連載終了となります。ご愛読、誠にありがとうございました。
佐久間みな子
KBCアナウンサーからKBCシネマにも携わり、現在はフリーアナウンサーへ。会話塾の講師を務める他、コミュニティラジオ天神のパーソナリティとして活躍中。