第78回ゴールデン・グローブ賞 作品賞(ドラマ部門) 監督賞(クロエ・ジャオ)受賞!
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映画『ノマドランド』
■監督/脚本/製作/編集:クロエ・ジャオ
■原作:「ノマド:漂流する高齢労働者たち」(ジェシカ・ブルーダー著/春秋社刊)
■出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、
リンダ・メイ、スワンキー、ボブ・ウェルズ 他
■配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
◎3月26日(金)よりユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、T・ジョイ博多、中州大洋 他にて公開
今作は大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに撮影され、アメリカの自然・大地を迫力ある映像で描き出し、観衆にこれでもかと迫ってきます。
ノマドとはフランス語で遊牧民。この作品は車上生活者、「現代のノマド」の物語です。その生活を実在のノマドたちとともにリアルに描いています。今、社会の在り方、考え方、人間関係等、変革の時代に入りました。そのような不安定な世の中にあって、「現代のノマド」という考え方に貧困と自由というものが、同居できるのか考えさせられました。
舞台はアメリカ・ネバダ州、企業の破綻と共に、長年住み慣れた住居を失ったファーン(フランシス・マクドーマンド)は古ぼけたキャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで車上のノマドとして、1日1日を懸命に生きながら車を走らせます。資金が尽きそうになると、季節労働の場を渡り歩く生活です。「それが幸福なのか」と疑いながら私は観ていました。
時に車のトラブル、食料に群がる大量の蟻、トイレの処理、でも美しい川を見ると疲れた体を水で癒します。ノマドの人たちとの出会いにより、ファーンの表情が日に日に輝きを増していきます。
監督からの強烈なメッセージに触れ、私にとって残された人生を如何に生きるか、そのテーマをこの作品からいただきました。
佐久間みな子
KBCアナウンサーからKBCシネマにも携わり、現在はフリーアナウンサーへ。会話塾の講師を務める他、コミュニティラジオ天神のパーソナリティとして活躍中。