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「ゆきてかへらぬ」 根岸吉太郎監督インタビュー

「ゆきてかへらぬ」 根岸吉太郎監督インタビュー

女優・長谷川泰子、詩人・中原中也、評論家・小林秀雄―実在した3人の奇妙な三角関係を描いた「ゆきてかへらぬ」。2月21日(金)の公開を前に来福した根岸吉太郎監督へのインタビューです。


本作の脚本家は、2009年公開の「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」でもタッグを組んだ田中陽造氏です。本作を撮られたきっかけは何だったのでしょうか?

「田中さんが手掛けた幻のような脚本があったなと。いろいろな監督がやりたがっているけれども断っていると聞いて、そんな脚本で撮れたらいいなと思い、話をすると『じゃぁ、一緒にやってみようか』となりました。
『ヴィヨンの妻』も戦後すぐの話。その時代を作り上げるのは難しいのです。試行錯誤している中で本の世界が見えてきて、一緒に考えてくれるプロデューサーもいたことでスタートできました。」

本作が実現した背景には、「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」を通して培われた、根岸監督に対する田中陽造氏の絶大な信頼があったようです。

それぞれの個性が光るキャスティング

「この映画は誰が泰子をやるかにかかっています。であれば、『広瀬すず』しかいないなと思っていて、まだ彼女が20代になりたての頃から打診をしていました。彼女自身も興味を持ってくれて、前向きに考えてくれたので広瀬くんでいきたいなと思いました」

と話す根岸監督。「広瀬すずさんしかいない」とまで監督に思わせたきっかけは何だったのでしょうか?

「いろいろな作品を見ている中で、『海街diary』の時に広瀬がサッカーやっていてね、その技術が並々ならないものだと思ったんです。普通あれだけの技術でボールを操るということはできない。努力しているからできているわけです。そのあといろいろな映画に出演した時に見せる片鱗もすごいなと思っていて…。そんな彼女が引き受けてくれたので、この作品が成立したのだと思います。
 岡田君もかなり前から声をかけて、是非やりたいと言ってくれていて。
問題は中也です。中也がなかなか見つからなくて、オーディションを何度もやりました。その土壇場で木戸大聖に出会って、圧倒的な目の美しさ、光り方、純粋さみたいなものを感じたので中也にふさわしいなと思い彼を選びました」

広瀬さんは、実年齢では木戸さんより2歳下ですが、映画の中では17歳の中也に対して3歳上の泰子を違和感なく演じます

「木戸君は若く見えるからね。それと役柄ですよね。始めの方で2人が年齢の話をした後、前半部分では彼女ははっきりと年下の男として扱っているんです。構成とお芝居がそういう風に見せているのだと思います。
 10代の2つ3つ違いというのはすごく大きい。なおかつ年上の女というのは、中也くらいの年齢だと落としがたいところがあって、そういう雰囲気がよく出ていたと思います」

静かな雪、雨、夜空-そして最後の青空。 天気の移り変わり、空の表情に意図されたこと

「最初の雨は、京都の黒い瓦屋根が雨に濡れて、黒光りしているその美しさ、今は失われてしまった世界というか、瓦屋根に覆われた路地を是非とも撮りたいと思いました。そういった意味で、出会いには雨がある。小林との出会いも雨ですしね。
 最後、中也が灰になって煙になって空に昇っていくところは、淡い青空であってほしいなと思いました。曇天の下を彼女が歩いているのではなくて、色々なものがあの空で救われていくという風にしたいと思って、最後はカメラも空に向かって上がっていきます。彼女が歩いている上にあるあの空には中也がいると思っています」

泰子に対する思い 自身を投影するのであれば、中也?小林?

中也は詩人で、小林は評論家と立場も違い、出身も山口と東京で年齢も違い、背伸びをして
いる中也を「そういうやつだ」と小林は受け止めているという図式の2人。そんな2人を
愛し、愛された泰子に対する思いに監督自身はどちらが近いのか伺うと

「中也は、取っ組み合いをするような若さがないと。年齢的なこともあるけれど、泰子のような女性に困っている小林の気持ちの方がわかりますね」

と微笑みながら話してくれました。

受け取ってもらいたいメッセージ

女優と詩人と評論家。後戻りのできない3人の生き方。ぶつかり合いながらも互いを必要とし支えた奇妙な三角関係を描いた本作で見た人に受け取ってもらいたいメッセージを聞きました

「あの時代だからこそ、ああいう才能があったからこそかもしれないけれども思いっきり気持ちをお互いがぶつけ合って、ぶつけ合いながらもそれを乗り越えて生きようとしているというエネルギーを感じ取ってもらえたらいいなと思います。
 最近は恋だとか愛だとかが希薄になっている気がします。ちょっとこういう濃い人間関係から刺激を受けてほしいなと思います」

「ゆきてかへらぬ」公開情報

2025年2月21日~
【福岡県内上映館】
Kino cinema天神、シネプレックス小倉、T・ジョイ久留米、
ユナイテッド・シネマなかま16、イオンシネマ筑紫野、イオンシネマ大野城、
セントラルシネマ大牟田、TOHOシネマズ福津、シネマサンシャイン飯塚 
出演 広瀬すず、木戸大聖、岡田将生 ほか
監督 根岸吉太郎
脚本 田中陽造
配給 キノフィルムズ
ⓒ2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会
公式HP:https://www.yukitekaheranu.jp/
公式X:https://x.com/yk_movie2025
公式Instagram:https://www.instagram.com/yukitekaheranu_movie/

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