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福岡市博物館 特別展 徳川家康と歴代将軍 ~国宝・久能山東照宮の名宝~

福岡市博物館 特別展 徳川家康と歴代将軍 ~国宝・久能山東照宮の名宝~


壮観!歴代15将軍の甲冑が勢ぞろい 徳川家に伝わる美術工芸の粋を集結

 東照宮は久能山が発祥です。1616年、駿府城で75歳の生涯を終えた家康の亡骸は、遺言に従って国の名勝・日本平(静岡市)の一角にある標高216メートルの久能山に埋葬されました。家康を祀るため、当時最高の建築技術で造営されたのが久能山東照宮です。総漆塗、極彩色の社殿は国宝に指定され、家康をはじめ歴代将軍ゆかりの宝物が保管されています。

 世界的にも貴重な一品が、下の重要文化財『洋時計』です。千葉県沖で座礁したスペイン船の乗員を救助したお礼として、国王フェリペ3世から贈られました。高さ21センチほどで、家康が部屋に飾っていましたが、死後は使われなかったため、当時の部品が摩耗せずにほぼ残りました。西洋の機械式の時計としては国内で最も古く、ゼンマイを巻けば今でも動くそうです。

 家康は、イギリス人の三浦按針(ウイリアム・アダムス)や、八重洲の地名の由来となったオランダ人のヤン・ヨーステンを外交顧問として採用するなど、興味の翼を世界に広げていました。

 写真の重要文化財『太刀切付銘(きりつけめい)妙純傳持(みょうじゅんでんじ)・ソハヤノツルキウツスナリ』は、家康が愛用した刀です。柄の部分の茎(なかご)に彫られた文言が名前になっていますが、意味は不明です。刀身に細長く刻まれた溝などの特徴から、鎌倉時代の三池典太光世(みいけてんたみつよ)の作とみられています。三池派は、平安時代から室町時代にかけて現在の大牟田市を拠点にした刀工集団で、太刀にとって今回はいわば里帰りです。

 関ケ原の合戦で家康がつけた甲冑が、下段の重要文化財『歯朶具足(しだぐそく)』です。胴の部分は鉄と革の小さな板を黒糸で縫い重ね、頭は大黒頭巾の形で、精悍なイメージです。兜につける前立(まえたて)がシダの葉の形のため、この名がつきました。シダは子孫繁栄の象徴です。更に8代吉宗や最後の慶喜まで、歴代15人の将軍の甲冑も展示されます。

 長い太平の世を築いた徳川家。そこに守り伝えられた珠玉の美を堪能してください。

左:[重要文化財] 洋時計(久能山東照宮蔵)
右:[重要文化財] 太刀 切付銘
   妙純傳持・ソハヤノツルキウツスナリ(無銘 三池光世作)(久能山東照宮蔵)


繁竹治顕
元NHK記者。’93年全米オープンゴルフ、’94年リレハンメル冬季五輪、2000年シドニー五輪などを取材。福岡放送局広報事業部長、副局長。現在、九州国立博物館振興財団専務理事。西南学院大学非常勤講師(ジャーナリズム)

福岡近郊博物館・美術館のスケジュール

※( )内の料金は、特別・前売り・団体料金、詳細はお問合せください

九州国立博物館

特別展 皇室の名宝 ‐皇室と九州をむすぶ美‐

7月20日(火)~8月29日(日)
●一 般  2,000円(1,800円)
●高大学生 1,200円(1,000円)
●小中生    800円(600円)
休館日⁄月曜(8月9日・16日開館、
8月10日は休館)
☎050・5542・8600(ハローダイヤル)

福岡市博物館

徳川家康と歴代将軍 ~国宝・久能山東照宮の名宝~

[重要文化財]
歯朶具足(久能山東照宮蔵)

~9月5日(日)
●一般  1,500円(1,300円)
●高大生  900円(700円)
中学生以下無料
休館日/月曜(月曜が休日の場合は
開館、翌平日が休館)
☎092・845・5011

福岡県立美術館

1964‐ 福岡県文化会館、誕生。

7月23日(金祝)~9月2日(木)
●一般  800円(600円)
●高大生 500円(300円)
●小中生 300円(200円)
休館日/月曜(月曜が休日の場合は
開館、翌平日が休館)
☎092・715・3551

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